幸せと不運

１「運ばれる運」

「…これで今月のお給料も終わりかぁ…」

夕方の、橙色に映るアスファルトに、１つの影がトボトボと侘びしい背中を猫背にし、寂しい財布を眺めながら俺は帰路につく。

買ったものは１０個入り卵パック、豚肉２パック、もやし一袋とキャベツ一玉にインスタントラーメン５袋入り。

これだけあれば生きていけるだろう。

…そう安堵したのもつかの間。