別離

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兄貴が居ない。。。 幼い俺は事態が掴めず駅のホームでひたすら 『お兄ちゃんは?』 と聞いてたらしい ホームに電車が到着し乗ろうとする母親 兄貴が居ないと乗る事を拒む俺 見送りに来てくれてた遊び友達 一番仲良くしてくれてた緑ちゃんにバイバイを言われ幼いながらにもう兄貴は来ない事を悟った 電車に乗り俺をあやそうと必死の母親 大好きな絵本を読んでくれてるのにその絵本を振り払ってた 母親は ごめんね。。。 ごめんね。。。 とひたすら謝ってた 手を繋がれて岡山駅に降り立ち伯備線から山陽本線へと乗り換える 行き先は母親の父 祖父・平太郎が待つ街 広島県尾道市 風光明媚な街は一足先に春が訪れてた でもそこには毎日絵本を読んでくれてた兄貴の姿はなかった 祖父の家は尾道市の栗原東 千光寺山の中腹にあった 病弱の俺を祖父は無条件に可愛がってくれてた 母親と祖父が話してる内容を聞いた 『いつか兄貴を迎えに行く』 俺は屋根に登り聞こえるはずのない兄貴に向かって大声で叫んでた 『いつか迎えに行くからな』
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