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「いつみても綺麗だよなぁ…」
ポロっと独り言が漏れてしまう。
靖葉は鏡が好きだ。
祖父が取り寄せた鏡はすべてがどこか色褪せていたり、縁が欠けていたり商品になるのかわからない物ばかりだが、どこか暖かさがあった。
手鏡から鏡台まで幅広く取り揃えられたこの空間は、ひどく居心地がいい。
夏休みにも関わらず、祖父の店ばかりに通いつめている靖葉は、他の同年代の男の子より、色白で小柄だ。
太陽の光を浴びると茶色がかった二重の瞳がキラキラ輝いて、その容姿が女の子に間違われる事はしょっちゅうのこと。
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