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靖葉は物心つかないうちから不思議な体
験をよくした。
公園にいつもいる綺麗なお姉さんに毎日
公園を通りすぎるとき目が合うからペコ
リと頭を下げたら、微笑み返してくれ
た。
以来挨拶を必ずするのだが、ある時、母親と一緒にいるときにお姉さんに挨拶をすると、
「誰もいない公園に挨拶をするの?」
と、首をかしげらた。
その時になって、靖葉はお姉さんが人で
はないことを認識したのだ。
他にも、しっぽが3つに別れた猫や不思
議な光をみたりしたせいで、靖葉自身不
思議な出来事には抗体が出来ていた。
だから、今鑑の中での景色もあまり気に
はならなかった。
しばらく鏡越しに人波を見眺めている
と、店のショーウィンドウ越しに立ち止まるシ
ルエットが写った。
本当のお客さんが来たのかと思い、鏡から目をそらして店のショーウィンドウを振り替えるが、誰もいない。
だけど再び鏡をのぞきこむと、その人はいた。
「………!」
ショーウィンドウ越しに目があった。
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