綾瀬鏡堂 15years ago

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目があってからどれくらいの時間が経っ ただろう。 性別はわからないが、スラリとした体型 で、見た目は普通の人間だ。 だがなぜか髪の色は銀髪で白い耳が頭に ついている。 服装は艶やかな赤と紫がペイズリー模様 に混じっている派手で不思議な着物だ。 腰まで見えるショーウィンドウからはフサフサ と3つの白い尻尾が揺れている。 「人じゃないよなぁ…?狐さん?」 あくまでも鏡の中にしかいないソレを目 にしても、余り現実味が湧かない。 恐怖心もなぜか湧かなかった。 じっと観察しているのは、どうやら靖葉 だけではないらしい。 向こうも靖葉に気づいていて、爪が獣の 様に鋭く伸びた両手をショーウィンドウにぺっ たりと張り付け、白い耳をピクピクとこちらに向け、警戒しているようだ。
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