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目があってからどれくらいの時間が経っ
ただろう。
性別はわからないが、スラリとした体型
で、見た目は普通の人間だ。
だがなぜか髪の色は銀髪で白い耳が頭に
ついている。
服装は艶やかな赤と紫がペイズリー模様
に混じっている派手で不思議な着物だ。
腰まで見えるショーウィンドウからはフサフサ
と3つの白い尻尾が揺れている。
「人じゃないよなぁ…?狐さん?」
あくまでも鏡の中にしかいないソレを目
にしても、余り現実味が湧かない。
恐怖心もなぜか湧かなかった。
じっと観察しているのは、どうやら靖葉
だけではないらしい。
向こうも靖葉に気づいていて、爪が獣の
様に鋭く伸びた両手をショーウィンドウにぺっ
たりと張り付け、白い耳をピクピクとこちらに向け、警戒しているようだ。
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