第一話、サイコマスター

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峯松(みねまつ)サイコ。 それが彼の名だ。 能力を扱う学校として、マスター達が集められた能力高の内の一つ、徒千(あだち)学園に通っている。 彼は天パという事以外は至って平凡な容姿であり、成績も中の下。 ただ、天パ以外にももう一つ、彼には平凡以外の点がある。 それは…… 「サイコ!!起っきなさーい!」 ドスン!!! 酷く酒焼けした声が耳に響き、それと同時に下半部に痛み。 大きな音に比例して、ドロップキックされた“あそこ”にも大きな痛みが響き、素晴らしく目が覚めた。 「ッッテェー!!!何すんだよ!朝一に俺の大事な息子にキックするとか信じらんねえ!!」 反撃とばかりに言い返すも、勿論言い返した所で痛みは収まらない。 目の前にいる、金髪で不良の容姿をした母親を睨みつけ、サイコはその場にうずくまった。 それを見て、母親はフン、と鼻をならす。 そしてサイコの頭を掴み上にあげ、手に持っていた目覚まし時計を見せつけてこう言った。 「もう8時30分よ」 「っはぁぁああああ!??」 目覚まし時計を見ると確かに針は8時30分を指している。 …やばい、遅刻だ!! 俺は下半部の痛みなど気にせず、とにかく高速で着替えて、とにかく高速で食卓に置いてあった弁当を取ってバッグに入れ、とにかく高速でチャリを漕いだ。 「あーあ、行っちまった。バッジ忘れてったけど……まぁいいか。知らね」 慌てて出て行った息子の背中を見ながら、手中にあるブラックのバッジを握る。 知らね、と呟いたものの、やはり気になってしまう。 大丈夫なのか、と。 この世界では“四色”に入り、しかもその内の第二位のブラックに当たる息子の能力。 “四色”のマスターは着けなければいけないバッジ。艶やかな黒をした四角いバッジは、ブラック用の物で、名前も彫ってあり、サイコ専用の物となっている。 具体的には知らないが、このバッジには多機能な機能が備わっていると言う。 今まで一度も忘れてはいなかった物。 仕事に行く際に、届けてあげようと決め、家の中に戻った。 、
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