癒えぬ心、降りかかる毒

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通常なら徒歩15分で着くはずの道のりを、じっくり40分程かけ学校に到着した。 HRの時間帯の校舎は静まり返っており、俺の歩く音だけが廊下に響きわたる。 静寂の支配する廊下の雰囲気に飲まれ、なんとなく窓の外を見て黄昏てみる。 憂鬱そうな表情で、世界のあり方や自分の存在価値を5分程真剣に考えていると、急に虚しさが押し寄せてきた。 ……なにしてるんだろう俺。 果てしなく時間の無駄遣いだと気づき、本当に憂鬱に歩いていると、いつの間にか俺の所属する教室2-Aにたどり着いていた。 後ろの扉からそっと教室の中を覗き見すると、全身西洋風のゴツイ甲冑に包まれ、2mはありそうな大剣を無駄に背負った担任(自称デュラハン)が聞き取りにくい声で連絡事項を伝えていた。 おい、誰だあんなのを教師に採用した馬鹿野郎は。 なぜ数多くいる教師の中からあいつを採用したのか小一時間ほど問いただしたい。
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