星々に願いを

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退屈な授業を右耳から左耳へと聞き流し、友達と喋りながら授業妨害をするのが俺の学校生活。 放課後になるとHRが終わる前に教室から飛び出し、屋上に設置されているベンチに持参した布団を敷いて昼寝をするのが俺の日課になっている。 目が覚める頃には、世界が茜色に包まれる寸前になっているように、睡眠時間を調節している。 屋上には景色を邪魔する障害物は何もなく、見慣れた街並みや雲一つない澄んだ青空が広がっている。 開放的な気分の下、俺は大空に抱かれるように眠りについた。 いつものように世界が変わる直前に目が覚めると、普段とは違う光景が目に飛び込んできた。 本来なら立ち入り禁止の屋上に俺以外の人がいることはないのだが、今日は見知らぬ女生徒がフェンスに背を預けていた。 俺は自分の世界に他人が土足で入り込んできた事に苛立ちを覚える。 一言文句を言ってやろうと思い彼女のほうに目を向けると、俺は驚愕に震えた。
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