星々に願いを

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正直一目惚れ――いや、正確には二回目の目視だから二目惚れ?――だった。 儚げな茜色の世界に違和感なく溶け込んでいる彼女を俺は美しいと思った。 腰あたりまで伸びている艶のある黒髪は、俺の知っている黒より何倍も綺麗で、アイドルも裸足で逃げ出す整った顔。 そしてなにより……艶かしい体のラインが凶悪すぎて堪りません!! 切なそうな雰囲気を醸し出している彼女は、多少の風が吹いただけで存在が消えてしまいそうで、思わず抱きしめたい衝動に駆られる。 けど、そんなことをしたら警察にタイーホされ、間違いなく人生のバットエンドを迎えるだろう。 己の欲望と理性が戦う中、俺の体に電流が走り、アイディアが閃いた。 彼女と付き合うことが出来れば憂いを取り除けるんじゃね? 自分の天才的なアイディアに畏怖の念を抱くが、解決策が見つかった以上、即実行が俺のモットーである。 浮かれ気分で彼女の元へと近づき、夜に話したいことがあることを伝える。 今夜は雲一つない綺麗な夜空が見れるだろうし、山頂から見る星は雰囲気満点だろう。 ビクビクしながら返事を待っていると、彼女は無言だがしっかりと首を縦に振ってくれた。 表面上はクールを装ってたが、内心では小躍りしたいくらい舞い上がっていた。 だから俺は気がつかなかった……この後に待つ残酷な結末に。
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