エランツォさん家の子

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ここはダイワークという国のとある港町である。そこで若い二人の女性が噂話をしていた。 「まさかあの無敵の海賊がやられちゃうなんてさぁ。ちょっとびっくりだよね?」 「えー?でも、あれって『海の髑髏』や『海鼠』、『海賊サルー』の三海賊に四方八方を囲まれての不意打ちだったんでしょう?」 二人の娘のうち髪の長い方が続けて言う。 「・・・いくらキャプテン・ジェニーが強いと言っても海賊三つを同時に相手しちゃあねぇ。」 「何言ってんのよ!キャプテン・ジェニーは・・・あっ、リュシアン君!」 国内でも特に賑わう港、ダイワーク港。繁華街の一角、この町の娘である2人の女性が雑談に花咲かせていると、この辺りではちょっと珍しい黒髪と黒色の瞳を持った可愛いらしい少年が現れた。   手には買い物袋を提げている。どうも買い物帰りのようだ。
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