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「あっ!ルチアさん、こんにちは。」
リュシアンと呼ばれた少年はその可愛いらしい顔に満面の笑みを浮かべると、ペコリと頭を下げ、何とも丁寧な挨拶を返す。
「もう傷の具合はいいの?大丈夫なの?」
ルチアと呼ばれた女性は、少年の肩を心配そうに見つめて言う。
「はい。だいぶいいです。ありがとうございます。」
ルチアの心配そうな口調に対して、少年はにこやかに答えた。
「今日はお買い物?この後、お暇なら一緒にお出かけしない?」
心配そうに声を掛けながらも、ルチアはさりげに少年をデートに誘う。
「う~ん。でも僕、早く帰って夜御飯の支度をしなくちゃ、もうすぐおねえさんが帰ってくるし・・・」
まだ十代半ばぐらいだろうか少年は少し困り顔で答えた。
「ふ~ん。じゃあ、しょうがないか・・・」
少年をデートに誘おうとしたルチアとしては残念そうに言った。
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