影ある所に光あり

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それと同じ類の目を、ネトシルがエルガーツに寄越すこともあった。 あれから何度かラーグノムとの戦闘があったが、いずれにおいてもラシークが錫杖を振るうと、ラーグノムだけでなくネトシルも止まってしまうのだ。 それがネトシルの不機嫌の原因である。 ネトシルはしきりに「何故お前には効かない」と睨んできたが、ラシークが不可解そうに見たのはネトシルの方だった。 しかし、ネトシルが術にかかろうがかかるまいが、それはそれで納得できるとエルガーツは思っていた。 獣向けの術が獣にかかるなら、ラシークの腕が良いということなのだろう。
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