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朝、シャワーを浴び
出てきた私が目にしたのは
異常に光っている携帯だった。
『?』
けたたましい数の着信が残っていた。
知ってる女の名前と電話番号。
違和感を感じていると
手の中で携帯が震え出して着信が入った。
携帯をスライドして電話に出た。
「もしもし…」
「…あ、わたし。
電話した意味わかるよね?」
同僚の女で少し面識があった彼女は
明らかに苛立って興奮している声だった。
「…?…」
彼女から朝一番に
狂ったかのような連絡がくる意味が
私は本当にわからなかった。
黙った私に苛立ちが増したのか
「 塁(るい) の事知ってるでしょ?!」
『塁』は
私が職場で春先に出会い、
付き合ってる訳じゃないけど
彼の部屋に泊まったり
遊びに行ったりして
愛をささやいてくれる
プチ恋愛ごっこをしてる男だった。
更に黙る私に対して
興奮してる彼女はもう止まらない。
「私さ、塁と今さっき2時間位前、
裸で抱き合ってたから!
あのベッドで!
あの部屋で!」
彼女の言葉の意味がわからなかった。
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