マルボロの吸い差しを潰して

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ここで引き返す訳にはいかない。 自分を奮い立たせる為に、煙草をサンダルで踏み潰し、私は再び歩き始めた。 公園にたどり着くと、まずベンチを探した。アパートから2時間近くほぼ休みもなく歩き続けて来たので、脚が張ってしまい、酷く痛む。 そこは公園と言うのも憚られるほど、朽ち果てていた。木製のベンチは殆どが虫に食われており、とてもその機能を果たせそうにはなかった。 ベンチに腰掛ける事を諦めた私は、公園の入り口からその全景を見渡した。ブランコや滑り台というどこの公園にも見られる様なありきたりの遊具しかない、何の変哲もない、小さな公園だった。
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