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無言で酎ハイを飲む私達。私はちらちらと青年を観察した。
身体は高いが線が細く、マッチ棒の様な印象を受ける。物憂げに虚空を見詰めるくりっとした二重瞼の瞳。どことなくおどおどとした印象が、私と同じ匂いを感じさせた。
自分の事をこんな風に言うのも癪だが、様々な人や、物に虐げられてきた人間だと直感した。
「ねえ、君はよく此処に来るの?」
「うん。」
「煙草あるけど、吸いますか?」
「ありがとう。」
気を遣って話し掛けているのに、青年の返答は素っ気ないものだった。
生きる気力を失っているであろう青年の横顔を眺めている内に、段々私の中で黒い感情が首をもたげてくるのを感じた。
この青年を、いじめてやろう。
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