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「そ、そりゃあそうだけど……」
顔をあわせつづけていると、ドキドキしてくる。赤くなる顔を見られないようにそっぽを向き、アカネは歩きはじめた。
このしぐさの真意がわからず、浩二は訝しげな表情を浮かべながら彼女の斜めうしろをついていく。彼はまだアカネを異性として見ていない。友達と思っているのだ。
しばらくそうやって歩く途中、アカネはふと思った。あ。そういえば、こいつの名字って確か……白井。白いものに注意って、まさかこいつ? 首を動かし、浩二のようすを見た。頭のうしろで両手を組み、のんきに口笛なんか吹いている。
でも仮にそうだとして、こいつがなにしてくるっていうのよ。そこまで考えて、彼女は突然大きくかぶりを振った。バカ。なに考えてんのよ、わたしったら。告白なんてバカみたいなことあるわけないじゃない。ありえないありえない。むしろそれっていいことっていうか、なんていうか。むー。って、なにしてんのよ、わたし。とりあえず冷静になろう。深呼吸して気持ちを落ち着かせ、彼女は再び浩二を見た。
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