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「ん。なんだよ? 俺の顔になんかついてんのか?」
アカネの視線に気づき、浩二が聞いてきた。
「な、なんにもついてないわよ」
「じゃあ、なんだよ」
「なんでもない」
彼に星座のことを言う気にはなれず、アカネは前を向いた。そのとき、白いものが降ってきた。ベチャリと彼女の肩で崩れ、ベトリと付着した。
「うわっ。アカネ、ストップストップ」
白いものに気づき、浩二が素っ頓狂な声をあげた。ぴょんっと一歩下がる。
「なによ。なんでもないって言ってるじゃない」
「違うって。おまえの肩に鳥のフンがついてんだよ」
「ええ!」
アカネはあわてて首をひねり、両肩を確認した。右肩に白いものがあった。白いものに注意って、これのことだったのかー。彼女はポケットティッシュで肩を拭いながら、占いが見事に当たったことに落胆した。気分がへこみそうになる。それでも彼女はポジィティヴに考えることにした。あの占いを信じて。
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