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朝のニュース番組のあいだに流れる星座占いを確認するのが、工藤アカネの日課となっている。セーラー服に着替え終えた彼女は、バターをたっぷり塗ったトーストにかぶつきながら、今日もテレビ画面を見ていた。
「それでは、今日の星座占いでーす」
キャスターの明るい声が言った。
まず二位から十一位までの星座がずらずらと並ぶ。そこにアカネの星座はなかった。
「となると、一位か最下位か」
アカネはトーストを両手に持ったまま固まった。真剣な顔つきになってテレビ画面に集中する。
「では、一位と十二位の発表でーす」
画面が切り替わり、一位と十二位が映った。
「はあー、最下位か~」
がっくりと肩を落とし、アカネは小さく溜息を吐いた。短いツインテールが跳ねる。
「ざんねーん。十二位はさそり座です。今日はあまりついてないかも。白いものに注意でーす。ラッキーポイントはポジィティヴシンキング。なにがあってもプラス思考でがんばりましょう」
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