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「時は過ぎれど、心が変わらぬのならば…、また会えん。運命って、そんなもんやで?」
最後だけ、茶化したような言葉。
しかし、俺にはこれが戯言だと思えなかった。
いや、信じたかったんだ。
「さぁ、時間や。早う逃げんと、君も月に捕まってしまうえ?」
『ふっ、俺は捕まらねえよ。お前以外にはな。』
そういって、手を離した。
『待ってる。また、お前と会う日を…。』
天女は、
その紫の瞳に俺をとらえて、
月明かりの届かぬ闇に、消えていった…。
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