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~彼氏~
「お久しぶりです~、黒澤刑事!!」
「片桐…、お前は相変わらず素直でいいな。」
「それに引き換え、黒澤のしけた面といったら…、本当に見てられない。」
妙なこと言われる前にこっちから仕掛けるてみた、が…、
「それはこっちの台詞だ、不細工娘…。」
「黒澤刑事、友香里は不細工を気にしてるんですから、気を使ってあげて…、」
何だこいつら!?いつの間に結託しやがったんだ!?
…っていうか気にして無いし!!不細工じゃないし!!
「奈々子!!アンタどっちの味方なの!?」
「勿論!!お年玉をくれそうな人の味方です!!」
…奈々子がそんな奴だって事は、ちゃ~んと分かってましたよ?
あぁ…、けど流石の黒澤もちょっと引いてる…。
「で…、何の用なの、黒澤?」
「あぁそうだ…、奴に変わった様子は無いか?」
またか、…こいつは私に会う度に同じ事聞いてくるな…。
「黒澤…、何でそんなに件の事嫌うかなぁ?
父の事件からどれだけ時間が経ったと思ってるの?
そもそも、件の事は忘れろって言われてるんじゃなかった?」
「榎本の事は関係ない、俺が個人的に調べてるだけだ。」
「お生憎様、何も変わった事はありません。」
もし変わった事があったとしても、件の事はそのまま件の館の事に繋がる。
他言無用のルールもある…、余計な事は言わないほうがいい。
「ねぇ友香里…、件って誰?」
「ほら、前に言ってたお父さんの友人で…、」
「片桐は聞いてないか?こいつの彼氏だ、名前は大神崎件…。」
は…!?何を言い出すんだ、この男…?
「え~!?友香里彼氏いたの~!?
どおりで最近付き合い悪いわけだ!!それで!?どんな男!?」
黒澤は奈々子を焚きつけると、嫌味な笑い顔をして去って行った。
わざとか!?あの外道…、私に何の恨みが…!?
「いや、だから件はお父さんの友人で…、」
「もしかしてオッサン!?友香里って本当に中年好きだね~!!」
いつから私が中年好きになったかは分からないけど…、
しばらくはこの話題から離れてくれそうに無いな…、黒澤め、覚えてろよ…!?
了
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