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4月27日
そして今日も...
「お狐っ様ぁ 聞いて聞いて大事件大事件!」
興奮気味の私はお狐様に
喋りかけていた
そう 今日も...
という 毎日毎日あの台詞を言うために来たのではない
今日はなんと
「お友達ができたの! しかも5人」
喋りかけてくれたの
もう 夢のようだわ
なんてうっとりしていた
はっ でもでも
「親友はお狐様だからねっ」
なんてやっていたら
昨日みたいに また私の名前が呼ばれた
昨日より確実で新鮮に聞こえた
「え? 誰かいるの?!」
見られていた 1人で像に喋っている
変な女子高校生 だなんて思われているんじゃないか
そう思うと
変な汗がブワッと出てきた
キョロキョロ見渡しても
誰も居ない 確かに気配は感じてるんだけと
見渡す限り 私とお狐様しかいない
「誰? 誰なの?いるなら出て来てよ」
さすがに怖くなって
大声で叫んだ すると突然強い風が吹いてきた
飛ばされないように像にしがみついた
しがみつかなければ絶対に飛ばされていたに違いない
恐る恐る 目を開けてみると
そこには いつもの風景があった
桜が全部散って緑の葉がおおっている
いつもの神秘的な様子だった
すると背後から ジャリッと
足音に気付いた
バッと振り向いたらそこには
袴姿の男がこっちを見ていた
私が驚いたのはそこではなく
頭の上にはピョンとたった耳
そして背後には尻尾と思われるものが
1 2 3...9 9本生えている
驚きのあまり私は
金縛りにあったかのように
この場から動けなかった
でも これだけはわかる
この人は人間じゃない と
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