一章

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「狐さまぁ 私今日も喋りかけれなかったよ。 はぁ 私の極度な人見知りのせいで..」 私は正直言うと地味な方の人間だ もちろん自分に自信なんかあるわけもなく 毎日毎日教室の隅で縮こまっているのだ この台詞 何回目だっけ この神社に来てずっと言ってる気がする さぞかし狐様には迷惑なのだろうけど そう話せるのはここだけなのだから 我慢してもらうしかない まぁ 像だから感情なんかないだろうけど なんだか ここに来るとホッとするのは確かなんだ。 「今日はねぇ いいもの持ってきたんだぁ ジャジャン ミサンガだよ 私とおそろいなんだぁ」 そう言いながら ミサンガをお狐様の足に着けた 痛い子なのかな私... 気がつけば周りは暗くなっていた 「げっ 今何時だ...やぁ 帰らないと 急がなきゃ!」 そういいながら 走っていこうとした瞬間 誰かに呼ばれたような気がした 振り向いたけど そこには お狐様だけがあった 「気のせいか..また来るね バイバイ」 手を振りながら お狐様に さようならを言う 階段を下り終えたらもう空は凄く暗かった
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