思いを閉じ込めて

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なぜ三人に向かってこんなにいばっているかというと…。 背の小さい私は、いつもこの三人にからかわれていたから。 だから背が伸びたことによって自慢できる…はずなんだけど。 「全然伸びてないし。ははは」 「まだまだちっちゃいもんね、すみれ」 「俺たちん中で一番ちっちゃいもんなぁ?」 「なっ…!?」 翔太、真央ちゃん、こうちゃんが次々と浴びせてくる酷いお言葉。 今、三ヒットだ。 本当に伸びてるはずなのに。…酷い…。 でも、この四人の中で背が一番小さいっていうのは本当。 …認めたくないけど。 だから事実なわけで、私は慌ててごまかすしかない。 「しょ、しょうがないじゃんっ。私、一番年下だし!」 「翔太だっているだろ~?」 「しょ、翔太は異常だって!」 「異常じゃないし」 私の言葉を突っ込む翔太。 何やらけらけらと笑って私を馬鹿にしている様子。 …コノヤロウ。あとで仕返ししてやる。 なんて思っても結局憎めなくて、一緒に笑う。 身長の件に戻るけれど、本当に翔太は異常だ。 高校二年で私と同じの翔太。身長が少しくらい違うのは男と女だから仕方がない。 けれど、なぜ10cm以上も違うんだろ?…ありえないよね。 だからしょうがない……はずなのに。 「成長しないなぁ、すみれは」 「う……だからそれはしょうがな…」 「性格が」 「はぁっ?」 「言えてる」 「確かにな~」 「何でよ!」 真央ちゃんの痛い一言で翔太とこうちゃんがにやにやとこちらを見る。 完全にからかわれてるよ…まぁ、いつもの事だけど。 はぁー、と。 呆れたと思わせながらの、幸せな溜息。 だって、こんな時間が大好きなんだもん。何気ないこの時間が。 だってたとえ意地悪されても楽しいでしょ?大切な人や……好きな人と一緒なら。 当たり前でしょ…?
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