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大分から熊本までは、けっこー疲れた…。一応九州だけど遠いから。
でも、そんな疲れも吹っ飛んじゃうくらい嬉しい事がこの後には待ってた。
一番、何よりも一番嬉しい事。
「真央ちゃんっ!」
「「すみれ?」」
こんな時でも嘘をついてしまう自分が、私は大嫌い。
私は翔太ではなく、先に真央ちゃんの名を呼んだ。我ながら良い演技だと思う。
きっと私は、翔太や家族のみんなに知られたくないんだ。
だから、この気持ちを隠すんだ。
そんな私の気も知らず、いつものようにこちらをちょこっとだけ見て名前を呼ぶ翔太と、真央ちゃん。
翔太は私の後ろにいる人物に気づき、私ではなく、私のお兄ちゃんであるこうちゃんの方に駆け寄って行った。
いくらこうちゃんだとしてもやっぱり妬ける。私よりも翔太と仲が良いから。
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