8人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
先生は最近流行りの画面を指で触って操作できる携帯を取り出し電話をかけた。
「もしもしー。三咲か?今日学校に残らなくちゃいけない用事が出来てよお。家帰れねえ。」
三咲とはどうやら奥さんのようだ。
私が家に来るとやはりまずいのだろう。
私は静かに窓の外を眺めていた。
ちょうど体育でバスケットボールをしていて皆楽しそうだった。
「有山。」
先生は頭をかきながら私をよんだ。
「授業あるんだよ俺。有山は教室に戻れ。」
私は先生に初めて先生らしい事を言われた。
普通の子なら素直に戻るが今は密着観察中。
「無理です。1メートル以内が決まりなので。」
私は顔色一つ変えずに言った。
最初のコメントを投稿しよう!