8人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
私たちは使われていない教室に身を隠した。
予鈴が鳴り廊下が騒がしくなった。
「有山さん来ちゃったねー。」
女の子の声。
「派手な格好して目立ちたいだけじゃん。あいつ。」
・・・あいつ?
悔しい。
私は唇を噛み締めた。
俯いていたから分からないけど
きっと先生は笑っていただろう。
「有山。俺、教室出るから。」
「は?」
「いつまでも隠れてちゃ変だろ。」
確かにその通りだ。
「私も行く。」
「度胸あるな。有山は。」
廊下に出ると皆の冷たい視線が私に降り注ぐ。
下を向きそうになる。
「ねえ。先生ー。」
私は先生の腕を引っ張り先生の耳元まで顔を寄せた。
「そのまま・・・。私にされるがままにしてて。」
最初のコメントを投稿しよう!