里村 勲

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私たちは使われていない教室に身を隠した。 予鈴が鳴り廊下が騒がしくなった。 「有山さん来ちゃったねー。」 女の子の声。 「派手な格好して目立ちたいだけじゃん。あいつ。」 ・・・あいつ? 悔しい。 私は唇を噛み締めた。 俯いていたから分からないけど きっと先生は笑っていただろう。 「有山。俺、教室出るから。」 「は?」 「いつまでも隠れてちゃ変だろ。」 確かにその通りだ。 「私も行く。」 「度胸あるな。有山は。」 廊下に出ると皆の冷たい視線が私に降り注ぐ。 下を向きそうになる。 「ねえ。先生ー。」 私は先生の腕を引っ張り先生の耳元まで顔を寄せた。 「そのまま・・・。私にされるがままにしてて。」
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