里村 勲

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先生は少し嫌そうな顔をしたが私を突き放したりしなかった。 私は先生の背中にもたれ掛かった。 「有山さんっ!?」 女子生徒がたまり兼ねたのか声を荒げている。 ・・・それを待ってたんだよ。 「皆さあ。先生に誘惑も出来ないくせにコソコソと陰口叩くなんて馬鹿みたいだね。」 私は周りを見渡した。 「それとも・・・。誘惑したけど駄目だったとか?」 口をへの字にして悔しそうな顔をする女子生徒。 「アタシが目立ちたいだけ?・・・目立った方がいいじゃん。」 私は小さな声で文句を言っている女の子の元へ向かい頬を叩いた。 「それに私、先生とは何もないから。今さっきのはムカついたから演技しただけ。勘違いも甚だしいよ?」 「えっ・・・。」 私は女の子達を軽く睨むと先生と目を合わせた。
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