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「え……。」
「「「えぇ~!!!???」」」
「え、侑斗には何にも影響がないの?」
「俺のゼロノスカードは俺に関する記憶の消滅を代償として変身している。だから、確かに今回の戦いで深傷はおったが変身能力を失ったわけではない。当然特異点の特質もある。」
「そ、そうなんだ…。」
そこに駆けつける小さな女の子。
「い、今のは本当なの?」
「ハナちゃん。」
と、ハナの横からひょいと紳士なおじさんが現れる。
「それは困りましたねぇ。そうなるともう良太郎くんをデンライナーに乗せておくわけには行きません。それが規則ですから。」
「で、でもオーナー!」
「規則は規則です。」
「い、いいんだ…。気にしないで皆。しょうがないよ。」
「こんなの僕イ~ヤ~だ~!」
「しょうがないよリュウタ。しょうがないんだ。」
悲しく切ない気持ちは誰もが一緒であろう。
「侑斗、後のコトは任せたよ。時間の流れを変えようとするイマジンのこととかね。」
「あぁ、俺はかーなーり強いからな!心配するな!お前が居なくとも俺一人で何とかいけるさ!後はデネブもな!」
「安心して下さい。侑斗は侑斗のことは私がちゃんと見守りますから。」
「このっ!デネブっ!偉そうに!まぁ、後は任せろ良太郎!安心して自分の人生を送れ!」
「うん、ありがと。」
互いに握手をかわす二人。言葉は少なくともお互いが伝えるべき、思う心はわかっているのだから。
「寂しくなるね、良太郎。女の子を釣るテクニックは僕の通りにやるんだよ。」
「分かったよ、ウラタロス。」
「ぐすん…涙はこれで拭いときぃ!!」
「ありがとう、キンタロス。」
「良太郎ともう会えないのー?お姉ちゃんにもー?そんなのイヤだぁーー!!!」
「しょうがないよ、リュウタロス。」
「分かった…でも、良太郎は僕のこと忘れちゃダメだよ!お姉ちゃんも!」
「うん、大丈夫だよ。リュウタロス。」
「………………。」
黙っているモモタロス。
「モモ…タロス?」
「良太郎ぉ~!!!」
抱きしめ合う二人。
自然と涙が出てくる良太郎。
抱き合う二人に周りの皆が集まり全員で良太郎を抱きしめ合う。
「じゃあな!良太郎!元気でいるんだぞ!!!」
「うん、ありがとう!モモタロス!!」
そうして、良太郎を一人残して時の列車デンライナーは消えて行った。
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