春の雪

3/10
前へ
/24ページ
次へ
見目は いかにも、気の強そうな細目のつり目に眉、鼻は通っているが小さ過ぎる。口はでかい割に顎は細い。 並か並より少し上位の容姿だった。 その男は市村鉄之助と言った。 一つ市村は咳をして家路に着いた。 今は日野の佐藤宅に身を寄せている。 早一年と半年は居させてもらい、すっかり家族の一人になっている。 が、市村はそろそろ旅立つ事を決めていた。 新撰組に入った時、兄も共に入隊をしたが、その兄は1年足らずで無断脱隊した。 兄を探したくとも、いろいろな事が季節が過ぎる様に、あっという間に過ぎてしまって探せなかった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加