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六時間目の終了を告げるチャイムが鳴る。
「えー、最初に言ったようにこのクラスは入試での平均点上位者を集めたクラス――いわゆる特進クラスだからコース分けはなしです。次回から復習なしでいきなり微積に入るのでしっかりと予習をしておくように。不明な点はシラバスに詳しく記載してあるのでそちらを読んでください。……以上」
言って、初老の男性教諭は教室をあとにする。
途端、静まり返っていた教室に活気が戻った。
「んー……」
伸びをする。
あまり私語の多いクラスというのも落ち着かないものだが、静か過ぎるというのも精神的に疲れる。
ふと、窓の外を向く。
サマータイムもどきの成果か、外は大分明るい。
「……帰るか」
この教室に自分の居場所は今のところない。
とはいえ、自分から積極的に友人を作りに行く性分でもない。
中学での友人を求め、自分から他のクラスへ行くのも何か負けた気がして嫌だ。
とすると、選択肢は必然的に帰宅の一択となる。
俺は嘆息すると、スクールバッグを携え教室をあとにした。
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