雪のとばり

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『・・・算数なんて誰が発明した!!』 恒太が暖房の効いた部屋で何処に向けたのかよく分からない奇声を発していた。   室内温度25度の食卓。 俺達は冬休みに入る前に少しでも課題をクリアしようと 教科書やらノートやらを机に並べて奮闘していた。 ただ公彦だけは小学生なので冬休みの宿題が存在しないため 意気揚々と少年誌を読みふけっては時折、クスクスと笑い出していた。 『だぁー!!お前さっきからクスクスニヤニヤ鬱陶しいんだよ!気になんだろうが!!皆の宿題の邪魔だぁ』 『恒太さっきからうるさい!』 『え!俺!?』 恭平の言うとおり、むしろ皆のイライラは明らかに恒太に向いていた。 『ところで・・・』 そんなある意味一触即発?な状況を空気も読まずに口を開いたのは和人だった。   『語尾に毎回「キリっ」ってつけると、どんなダサい台詞もかっこよくならないか?』 かなりどうでもいい話をしだした!! 『くだらねぇ・・・意味がわからない。』 『キリっ』 圭一の台詞にすぐさま和人が 先ほどの語尾を付け足す。 『・・・・・・うぉ』 え・・・!? 『確かに・・・かっこよくはあるかも』っと恭介が乗っかる。 『キリっ』 更に和人が付け足す。 『おぉ!!なんか爽やかだ!』 『キリッ』 恒太の台詞に付け足される。 確かにだんだん、そんな気がしてきた俺がいる。 『なんだか、収集がつかなく―』 『キリッ』 俺の発言にまで付け足される。   『いいから、課題やろうぜ』 『キリッ』 場を収めようと乗り出す圭一の語尾に付け足され、課題が進まなくなる。
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