第一話

7/16
前へ
/21ページ
次へ
「じゃあもう戻っていいよ」 「…はい、失礼します」 爽やかな雰囲気に戻った生徒会長…基、佐藤さんに表情をひきつらせながら会釈したあと教室を出た 「はあ…もう帰りたい」 とか言っても今帰ったら確実に葉月に怒られる… 「次は…舎弟に……」 このメモ、破るぐらいやっていいんじゃないかな?舎弟っておま…さっき逢ったからいいんじゃな…「師匠!」 師匠?師匠ってなんだっけ? 「水鳥師匠!」 「…っはい」 やっぱ僕なのね…渋々振り返ると小さいのが瞳を輝かせながらこちらに近づいてきた 「師匠!ご無事で何よりです!皆さんが待ってますよっ」 「……はぁ…」 結局…会う嵌めになるんだね… ――… 「連れてきました!」 「よし、不知火。ちょっと茶ァ買ってこい」 「えっまた私のお金で?」 「…文句あんのか」 「いえっ、行ってきます!」 偉そうに座る、先ほど佐藤さんにやられてた奴が包帯巻き巻きな顔でさっきの小さい…不知火さんを睨んだ 慌てながら走って出ていったのを見送る …こういう連中なんだ…… 「水鳥さん、無事で何よりです」 「…え、うん。」 舎弟ってことは葉月に成り済ました方がいいんだよね 「それで…」 「…?」 「アイツらをどうやって仕返ししますか」 「 ! …し、仕返し!?」 顔に影を落として何恐ろしいこと言ってんの!? 「仕返しって、あの人にっ!?」 「当たり前でしょう。あんだけの事をやられたんだ…やるしかねェ。金田もだ!アイツさえ何か吹き込まなければこんなことには…」 「……」 で、出来るわけないだろっ あんな怖い人…関わりさえ持ちたくないぐらいなのに! 「水鳥さん?」 「…あ、あたしちょっと用思い出した!また後でっ!」 「えっちょ…!行っちまった」 「木村さん」 「あ?」 「今日の水鳥さん可笑しくないっスか?」 「可笑しいなら可笑しいでいい。潰すのに楽になるからなァ」 包帯で隠されてるにも関わらず口元が弧を描くのを分かるほど厭らしい笑みを浮かべた  
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加