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急いで裏にまで来て、ゆっくりと歩を進める。もちろん行く宛などないけど
冗談じゃない。
佐藤さんに喧嘩吹っ掛けるなんて普通じゃないよ。流石、葉月の舎弟だからか…言うことも半端ないな
「…どうしよう…」
「何がですか?」
「うわぁっ!?」
独り言のはずが返事まで返ってきて、しまいには小さいの…じゃないや、不知火さんが横から顔を覗かせたのに驚いた。
飛び跳ねてしまった。正直に言って今のカッコ悪いと自分も思う
「どうしたんですか?」
「いや君……アンタこそどうしたのよ」
うん、この口調、僕がやると気持ち悪いな
「私はお茶を買いに行って…帰りです!はい、お茶どーぞ!」
「えっ…あ、そうだったわね」
そうだ、このコパシりにされてたんだった。笑顔で差し出して来たお茶を素直に受けとる
「あの!」
「ん?」
「き、昨日はありがとうございました!!」
「??」
昨日?何かあったのだろうか…いきなり頭を90℃まで下げてきた相手に目を丸くすることしか出来ない
まず内容が分からないからね。
「えっと…」
「私が昨日、金田にあんなことされて…正直怖くて…。今思い出すだけでも震えが止まらない…たまたま師匠が通りかかってしかも殴ってくれたおかげで、助かりました」
…金田……殴り…。なるほど、葉月はこのコを助ける為に殴ったのか。
「…でも…私のせいであの生徒会にも目を付けられて…」
「あの生徒会?」
「え、知らないんですか?」
申し訳なさそうに眉を垂れ下がらせていたがすぐに小首を傾げながら見上げて来た
…小さくて可愛いなぁ…。
じゃないだろ僕!
「生徒会は表向きは生徒の味方。裏では悪名高き集団ですよ」
…悪名高き…って、あのまんまじゃん!?
「裏では教師、叉は生徒に頼まれたことを確実にこなす、何でも屋!噂では人殺しもするとか…」
……ナイナイナイ、怖い、怖すぎるっ!じゃあパシりってその片棒を担げということだよねっ
「顔色が…大丈夫ですか?」
「あ、うん。大丈夫よ。にしても怖い連中もいるもんなのね」
「でも、今の私にとっては女神です」
「…?」
苦笑いしながら再び頭を下げたあとお茶を渡しに行った不知火さんの背中を視線で見送る
…まさか…
…何か依頼でもしたんじゃ…
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