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ドアの上部にある案内表示を確かめながら、私は『8』のボタンを押した。
ガタンと音を立てながら、ゆっくり昇っていく小さな箱。
2…3…4……と回数が上がることに、気持ちが高揚していく。
asuもきっと同じ――。
そう思った次の瞬間、エレベーターが不器用に止まり、ドアが開いた。
「いらっしゃーい!」
エレベーターのドアが開いた瞬間に、私たちふたりを野太い声が出迎えた。
「いやだぁ! アンタたち、久し振りじゃないー」
マイクロミニから伸びるきれいな長い足で、駆け寄ってきたのはマルムス。
ここ『penguin's bar』のスリートップのひとりだ。
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