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いつものコンビニ、いつもの店員。
これといって必要はないけれど何となく立ち寄ってしまう。
デザートやお菓子のコーナーで一つ二つ手にとってみる。
カロリーの事が一瞬ちらっと頭をかすめて元ある所に戻したりしてみるが結局はカゴに入る事になるのがいつものことだ。
「452円になります。」
「ありがとうございました。」
少し前、転職中の職探しの間にコンビニでバイトした時、会計時に店員が勝手に年齢を推定して小計ボタンを押さないとレジのドロアが開かないのを知った。軽いショックを受けた。
いや、正確に言えば一緒にバイトしていた高校生の男の子にまるでいたわられるかのように
「ミサキさん、まだ30代ではないですよね?」
って確認された事にショックを受けたのかもしれない。彼は確認をしたんじゃなくカマをかけたのかもしれない。
お釣りを受け取りながら何となくそんな事を思い出した。
今、このバイトの男の子もすました顔で反射的動作で一瞬私を値踏みした?値踏み…ではないか。
彼も仕事をしているだけだ。
誰もいない部屋に帰るのは別になんとも思わない。
私は基本的に一人が好きだ。
冷凍庫にアイスをしまう。
冷凍庫にアイスが無い事の方が誰もいない部屋に帰るより不安だ。
パソコンの電源を入れてからシャワーを浴びにいく。
さっき浴びてきたばかりだけどまた浴びる。
セックスの前とセックスの後と帰宅後。
今日3回目のシャワー。
だから時間はかけない。セックスとその日の男の痕跡を流すだけ。
鏡は時に残酷だ。
体はまだ十分に男を満足させられる程度になんとか保たれているけれどメイクを取った顔はしっかり年齢の取り分も取られている。
ペットボトルの水を冷蔵庫から出し、サイトにアクセスした。新着メールが溜まっている。それをクリックしながら髪をふいた。
「はじめまして!
ヒロといいます。メールから始めませんか?いろいろ話しましょう。」
よくあるタイプ。
「メールして。」
っていう一言メール。
文字制限ギリギリかという程の長文メールもある。
そして私はまた同じメッセージを発信する。
「ヒロ。会いたい。」
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