ゴミ箱を漁る作家の苦悩

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「お帰りなさいませ、ご主人様」 三宅が店内に入るときらきらと輝く長い黒髪にカチューシャをつけたメイド服姿の女性が甲高い声で挨拶をする。 白と黒を基調とした清楚なメイド服だが、スカートは男の視線を集めるほどに短い。 露になった脚にはニーストッキングを穿いており、清楚と色気が混在して結局は色気が一人勝ちをしたようなコスチュームであった。。 お帰りなさいませとはいうもののここが三宅の家のはずはなく、いわゆるメイド喫茶と呼ばれる場所であった。 「ただいま、くるみちゃん」 にっこり笑いかけてくるメイドのくるみに三宅もにんまりと笑い返し、挨拶をする。 くるみに誘導され三宅はいつもの奥の席へと案内される。 くるみにアイスコーヒーとオムライスを注文し、先ほど購入した漫画本を鞄から取り出した。
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