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三宅は本を読む振りをしながら店内に視線を配る。
火曜日の昼下がりなので客の数もメイドの数もあまり多くはない。
先ほどのくるみの他にはメイドは二人。
あすなとすみれがホール内で接客を行っている。
三宅はすみれの姿を確認してひとり照れたような笑みを浮かべた。
三宅は25歳にして生まれてこのかた彼女がいた試しがない。
小太りでニキビが目立つ肌に近眼の度の強い眼鏡をかけている外見はお世辞にも異性にモテるタイプとは言いがたい。
しかし小太りであろうが近眼の度がきつかろうが恋人がいる人間はいくらでもいる。
根本的な問題は服装や清潔さであった。
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