ゴミ箱を漁る作家の苦悩

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風呂にも三日に一遍入れば上出来な彼のライフスタイルが独特の体臭や髪の脂によるてかりを産み出していた。 三宅が女性と縁がないのはこのような生活習慣が一番の起因となっている。 それなのに彼は自分の怠惰な生活を棚に上げ、ネット上の匿名掲示板でやれ「ただしイケメンに限る」やら「リア充爆発しろ」などと逆恨みをしている。 実際はイケメンでなかろうがきちんと生きていればそれなりにロマンスのチャンスは巡ってくるものだが、その努力を怠り、世間にばかり悪態をつく。 だが実際に世間も悪いと言えば悪い。 彼らのような努力を放棄した人間に対しても金さえ払えば偽のロマンスを提供する場所が増えているからだ。 例えばこのメイド喫茶がそうである。
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