ゴミ箱を漁る作家の苦悩

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「あ、ご主人様ぁ。おかえりなさいませ」 「こんにちは、すみれさん。こないだはずいぶんと帰り道に慌ててたね」 「あの時は失礼しました。妹が急に倒れたと連絡を受けまして……」 「え!? 妹さん大丈夫でした? でもすみれちゃんも体弱いんだから無理しちゃ駄目だよ」 「ありがとうございます、ご主人様。おかげさまで妹も無事でしたよ。あっそれ魔法少女マジカの最新刊じゃないですか! 出てたんだ! 今日帰りに買っていかねば!」 すみれは妹の話もそこそこに、目ざとく三宅の手にしている漫画本を確認して話題を振った。 三宅は嬉しそうに魔法少女マジカの話を始める。 これは元来小学生くらいの女子をターゲットにしていそうな漫画ではある。 そこに小学生には解りづらいような裏設定が敢えて見え隠れさせてマニアも楽しめるといったあざとい手法が取られていた。
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