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ここ最近、私はちょっと不思議な夢を見続けていた。それにはいくつか種類はあったものの、周囲が戦国時代のような背景。登場人物も着物をまとっている。聞こえてくる台詞から、滝沢馬琴が原作者である『南総里見八犬伝』のワンシーンを夢に見ているようであった。
歴史――――――特に日本史の好きな私は、政治等はもちろん、文化史等の興味も強い。そのため、『里見八犬伝』についても、おおよそのあらすじと登場人物は知っていた。
「でも、なんで…」
帰宅途中、夜道を歩きながら私はポツリと呟く。
なんで、“浜路(はまじ)”がよく出てくるのだろう…?
自分が知る“浜路”は、「八犬伝」においてヒロイン的な役割を持つ女性。原作をモチーフとした映画やドラマでも、ヒロインとして登場する場合が多い。
「…まぁ、いいか!それより…」
私は夢の事が気になりつつも、卒業式を迎えるまでの数か月をどう過ごそうかについて考えながら帰宅したのであった。
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