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クエストクリアのことはともかく、亀を助けなければ可哀想です。
子供達は容赦なく、まるでサッカーボールでも蹴るように亀を蹴り続けている。
私は風を切り裂くかのような速さで、虐めている子供達に近づいた。
「何をしているんですか?」
亀を三方向から囲み、蹴りを何度も炸裂させている子供達。
「おら!おら!」
「クタバレ!」
「この鬼亀が!村の人間を帰せ!」
子供達は、私の声など一切無視して亀を蹴りつけた。
「やめなさい!」
喉の奥から怒りを込めた声で、私は怒鳴りつけます。
すると、子供達は蹴っていた足を止めて私の方を見てきました。
「あんた、誰だよ」
子供のうちの一人が、私を見上げながら訊いてきます。
その雰囲気は、子供とは思えない威圧感。
寧ろ、殺気が込められているような気さえします。
最近の子供は怖いですね。
「亀を虐めたら可哀想じゃないですか」
それに対して、別の子供が口を開く。
「あんた知らないのかよ!こいつは、村の人間を海の中へ連れて行って食べてしまう鬼亀だぞ!僕達はこいつを退治しに来たんだ!」
え?
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