天草四郎物語

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まあ、カーテン状で覆うドームの様な物を作り出したと考えればいいのですかね。 乙姫さんは、人間と同じで水の中では生きられない。 この空間は、人間と魚が共存出来る場所。 なるほど。見渡してみると、空中を彩り豊かな様々な魚が泳いでいます。 素晴らしい場所だ。美しいにもほどがある。 改めて竜宮城を見ると、その光景に相応しい神秘的な雰囲気を醸し出していました。 「ささっ。こちらでございます」 私は亀さんの案内の元、竜宮城の入口まで足を進めました。 建物の大きさに似合わず、入口は一人ほどしか通れない狭さ。 赤い鳥居を模した様な、お洒落な入口を通り抜けます。 愉快な可愛らしい沢山の小さな魚達が、歌を唄いながら私を歓迎してくれます。 な、なんか楽しくなってきた。 入口を通り抜けると、私の前には、まるで野球が出来そうなほどの巨大な空間が広がります。 「ここはロビーになりますが、お客様が来た際には宴を行う場所としても使用しております」 亀さんは、どこからか現れた魚達が運んできた豪華な椅子を受け取りながら、そう言いました。 「これより宴会の準備を行いますので、しばしお待ちくださいませ。乙姫様も直に見えられると思います」 何だかお腹が減ってきました。 不意に、副長が言っていた言葉が頭を過る。
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