43766人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
まあ、カーテン状で覆うドームの様な物を作り出したと考えればいいのですかね。
乙姫さんは、人間と同じで水の中では生きられない。
この空間は、人間と魚が共存出来る場所。
なるほど。見渡してみると、空中を彩り豊かな様々な魚が泳いでいます。
素晴らしい場所だ。美しいにもほどがある。
改めて竜宮城を見ると、その光景に相応しい神秘的な雰囲気を醸し出していました。
「ささっ。こちらでございます」
私は亀さんの案内の元、竜宮城の入口まで足を進めました。
建物の大きさに似合わず、入口は一人ほどしか通れない狭さ。
赤い鳥居を模した様な、お洒落な入口を通り抜けます。
愉快な可愛らしい沢山の小さな魚達が、歌を唄いながら私を歓迎してくれます。
な、なんか楽しくなってきた。
入口を通り抜けると、私の前には、まるで野球が出来そうなほどの巨大な空間が広がります。
「ここはロビーになりますが、お客様が来た際には宴を行う場所としても使用しております」
亀さんは、どこからか現れた魚達が運んできた豪華な椅子を受け取りながら、そう言いました。
「これより宴会の準備を行いますので、しばしお待ちくださいませ。乙姫様も直に見えられると思います」
何だかお腹が減ってきました。
不意に、副長が言っていた言葉が頭を過る。
最初のコメントを投稿しよう!