天草四郎物語

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やがて、アルコールの入った水の力によってか、体がふわふわと浮いた様に感じて手足の動きが定まらなくなり始める。 「さあ!さあ!」 まるで遠退いていくように、周囲の音が小さくなった気がした。 眠くなってきたせいでしょう。 非常に気持ちが良いのと共に、眠気が襲いかかってくる。 あー、お腹も一杯ですし、これは少しだけ場所を借りて寝ることにしましょう。 「す……み、ませ……ん。少し……ね……む、く……」 既に言葉すら、まともに話すことが出来ません。 ああ。もういいや。寝ちゃお。寝ちゃお。 私は体の力を抜き、どちらの方向かもわからぬまま身を倒しました。 「天草様?」 天界から降り注ぐように、乙姫さんの優しい声が私を包み込みます。 そうだ。私の目的は、ブラックアウト三大兵器の情報を手に入れることだった。 乙姫さんに聞けば、知っていたのかもしれないのに。 「ゆっくりおやすみくださいませ。天草様」 乙姫さんの言葉に、声は出さずとも小さく頷く。 私は海に沈むように、深く心地よい眠りの世界へ身を任せた。
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