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「ん?」
いつの間にか寝てしまったようですね。
「ん?」
全身に覚える違和感。
大きく伸びでもしようと思ったのに、手足が動きません。
それどころか、体は横になっているのではなく、立ったままじゃないですか。
まさか、立ちっぱなしで寝ていたのですか?
そんな……。いくら寝惚け癖がある私でも、さすがにそれはないでしょう。
私は周りをゆっくり確認してみました。
手首と足首が横に伸びて、何やら鉄の塊で固定されています。
その鉄の塊は、背中に感じる厚そうな固い板に打ちつけられていた。
「何ですか。これは?」
状況がよく理解出来ません。
先程の華やかな景色とは打って変わり、目の前には白く柔らかい砂が敷き詰められ、私と同じ背丈ほどの不気味な柱が何本も立っている。
いえ、よく見渡せば、少し離れた場所に竜宮城が建っています。
何故、外に……。
あっ。寝惚けて、“瞬間移動”を使ってしまったのですね。
それなら外にいることが納得出来ます。
あれ?でも拘束されている説明がつきませんね。
「どうなっているのでしょうか」
すると、すぐ近くに二つの気配を感じた。
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