天草四郎物語

19/47

43766人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
「ん?」 いつの間にか寝てしまったようですね。 「ん?」 全身に覚える違和感。 大きく伸びでもしようと思ったのに、手足が動きません。 それどころか、体は横になっているのではなく、立ったままじゃないですか。 まさか、立ちっぱなしで寝ていたのですか? そんな……。いくら寝惚け癖がある私でも、さすがにそれはないでしょう。 私は周りをゆっくり確認してみました。 手首と足首が横に伸びて、何やら鉄の塊で固定されています。 その鉄の塊は、背中に感じる厚そうな固い板に打ちつけられていた。 「何ですか。これは?」 状況がよく理解出来ません。 先程の華やかな景色とは打って変わり、目の前には白く柔らかい砂が敷き詰められ、私と同じ背丈ほどの不気味な柱が何本も立っている。 いえ、よく見渡せば、少し離れた場所に竜宮城が建っています。 何故、外に……。 あっ。寝惚けて、“瞬間移動”を使ってしまったのですね。 それなら外にいることが納得出来ます。 あれ?でも拘束されている説明がつきませんね。 「どうなっているのでしょうか」 すると、すぐ近くに二つの気配を感じた。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43766人が本棚に入れています
本棚に追加