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地を割って姿を現したのは、ハサミの様な形をした巨大な腕。
まるで、奈落の底から這い上がってきたかの様に奴は現れた。
頑丈そうな甲羅を身に纏い、二本の腕の先には鋭い刃が光り輝く。
あれは……巨大なカニですか。
ただし、手の代わりとなっているハサミの刃は、真剣と変わりがないほど鋭い。
同時に私が押さえ付けられている厚い板が、エレベーターで登るが如く、下から板が伸び始めて上昇する。
それは巨大なカニが手を伸ばせば、ちょうど良い高さ。
まずいですね。命力を外に放出できなければ、脱出は困難じゃないですか。
まさに死刑台。
板に押さえ付けられ拘束された私と、巨大なカニさんが対峙します。
見下ろしてみると、地上では乙姫さんと亀さんが切なげな表情で私を見ていました。
何故、ハメタ相手に対して、そんなに悲しそうな顔をするのでしょうか?
理解出来ませんね。
まあ、良いでしょう。
とりあえずは、あのカニを何とかしなければ。
それは、竜宮城の大きさと変わらないほどの身体つき。
んー。まずは、この拘束具を何とかしなければいけません。
外に放出が不可となると……。
ん? あれ?
まずいです。対策が思いつきません!
ファック!
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