天草四郎物語

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命力を外に出せないとなると、体は生身の状態となっています。 これが非常にまずい。 命力を使いこなせれば、防御機能としても役に立ちますからね。 つまり、今の私は殺られ放題なわけです。 動けませんからね。 な、何か対策を考えないと。 「も、もしかして……」 私は、地上に建ち並ぶ身長ほどの高さをした、柱達を見下ろしながら考えました。 まさか、あれは墓標ですか? 墓標の数イコール、今までクエストで散っていった者達。 その数は、数百本。 今までが全て失敗だと考えれば、決して多い数字ではありません。 寧ろ、少なすぎます。 何しろ、クエストボックスがとてつなく辺鄙(へんぴ)な場所にありますからね。 見えてきました。 このクエストは、表も裏も関係ない。 あえて言うならば、初めから裏クエストなのですね。 あー、一瞬でここまでわかってしまう私は、何て天才なんだろう。 カニは巨大は腕を振り上げて、私に鋭く光った刃を向ける。 あの刃なら、私のことを一撃で殺せるでしょう。 んー、仕方ないですね。 やったことないですが、試してみるしかありませんね。 一番、命力を消費する能力が適しているはず。 能力……。
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