天草四郎物語

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死神の翼は、私の動きを最速まで高め、さらには空も飛べることが出来る優れものですが、本当の能力は別にあります。 敵の微妙な仕草を感知し、相手の動きが先読み出来る。 これにより、私は相手より一瞬、早く対処出来るわけです。 死神の翼は敵の動きを読み取り、私に伝えてくれた。 カニさんの次の攻撃は、両腕のハサミで私を挟もうとしている。 動き始めた両腕。 振り上げた瞬間、左右から巨大な腕が迫り来る。 その瞬間に私はさらに上空を飛び、腕の軌道から外れた。 私の下では巨大な腕が衝突し合って、轟音が奏でられる。 ──今だ。 距離を詰める。 能力【瞬間移動】 視界は一瞬にして切り替わり、カニさんの体が目の前に映し出される。 体が大きいせいか、カニさんは完全に私を見失っていた。 目の前ですよ。 硬そうな体ですね。 カニさんの体を覆うように全身を包む甲羅。 私は手の平を胸に当てた。 能力。 【巨人の右腕】 【巨人の左腕】 少し離れた場所で、空間が渦巻き、二本の巨大な腕が現れる。 それはカニさんを殴るのには、十分な大きさ。 現れた二本の腕は拳を作り、カニさんの体を殴りつけた。
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