天草四郎物語

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巨人の腕に殴られたカニさんは、大きく体勢を崩した。 しかし、その頑強な甲羅のせいか、見た目は完全に無傷です。 「カッチカチやな」 ってテレビで誰かが言ってました。 カニさんは倒れた体を立て直そうと、足の力を使い踏みとどまります。 「申し訳ないのですが、一気に決着をつけさせていただきます」 私は【巨人の腕】、【死神の翼】の能力を解除しました。 同時にフライシューズのエンジンをかけて、体を滞空させる。 まるで山の様に巨大なカニさんの体。 さて、どう料理しましょうか。 私、茹でたカニを酢につけて食べるの大好きなんですよね。 能力を解除したのは、ある能力を使用するため。 この能力の欠点は、他の攻撃を放つことは出来ないし、その場から自らの意思で動くことが出来なくなります。 能力……。 私は手の平を胸に当てた。 【七つ文房具】 私の背中からは、次々に木の枝が分かれる様に機械的な管が生え始める。 その先端には、実を成らせるかの様に七つの能力が姿を現し始めた。 「さあて。ここからが正念場ですよ。カニさん」
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