天草四郎物語

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カニさん。貴方のハサミよりも巨大で、鋭い切れあじですよ。 巨大化したハサミは、二本の刃を大きく広げカニさんの腕を挟む。 「挟め」 私の意思が、背中から生えた機械の管に伝わりハサミが動く。 刃を閉じたハサミは、簡単にカニさんの腕を切断し吹き飛ばした。 吹き飛んだ腕は、地に落下すると共に地響きを奏でる。同時に、盛大な砂埃が周囲に舞った。 カニさんは声を上げることすらなく、さらに体勢を立て直そうとしている。 豪快にカニさんの腕の切断面から噴き出す謎の液体。 「何の液体ですかね。これ」 飛び散った液体は、私に向かって降り注いでくる。 私は瞬時に、消しゴムを動かして目の前を削った。 この消しゴムの能力は、刃物を研ぐ様に空気を削り、硬質化させて盾の代わりとなってくれます。 能力によって削った空気の強度は、鋼鉄の硬さの何倍も固いです。 液体が、消しゴムで削った場所に付着する。 すると、目の前には泥々とした液体が下に流れ落ち始めた。 毒が混じっているようですね。 毒を持つカニとは……。 さてさて。あれいってみますか。
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