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私は管を動かし、体勢を立て直したカニさんに接着剤の容器を向けた。
命力注入。接着剤の容器は、みるみる巨大化していく。
カニさんの目玉がギョロっと動き、接着剤の容器に視線がいった。
どうやら腕を切断された事で、明らかに私の能力を警戒していますね。
片腕を失ったカニさんの戦力は、間違いなく半減したと言っていいでしょう。
滞空しながら対峙する私は、カニさんの目玉とほぼ同じ高さ。
駄目ですよ。相手から目を離したら。
もし、接着剤の容器がおとりで、私から直線攻撃が放たれたら反応出来ませんよ?
そんな卑怯な攻撃は、滅多に行いませんが……。
まさに、カニさんの体は巨大な建物のように大きい。
私、巨大な相手が大好きなんですよね。
何せ、倒した時の達成感が大きい気がしますから。
巨体化した接着剤の容器が傾き、先端の排出口から紫色の液体が溢れ始める。
貴方の体は大きすぎる。
攻撃を避ける手段はありません。
まさに、それこそが貴方の弱点。
何て単純なんだ!
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